設立趣意書
1、設立趣意
■ 本会の基本方針

本会は、基本方針とし、国、県、町に対して明示し、海岸環境整備の最良の方法を模索し提案することを目的として発足しました。

■ 基本方針(1)

住民に対する説明会と十分な意見交換会の実施。

海岸ヘッドランド工法による実施計画の全貌と実施済み工事の検証結果の報告を含め、広く一宮町住民に対する説明会と十分な意見交換を実施すること。

<背景>
県の資料によると、平成15年には鴨川、大原、成東、旭、九十九里浜における地元市町村の行政関係者を対象に『海岸工事の説明会』が開催され、住民の意見を聞く公聴会も開かれていました。ところが、一宮町は大規模工事の対象地域でありながら、広く住民を対象とした説明会、意見交換会がないまま工事が着工されたようです。7年の時を経てようやく昨年7月4日、8号ヘッドランド工事を主たるテーマとして、県の担当部局と住民の直接的な対話の場が初めて実現し、一宮町の斡旋で、県の担当部局と住民の直接的な対話の場をもつことができました。これは、従来には見られない新しい動きで、高く評価されるもので、今後は工事着工前に『説明会』が実施されると理解しておりました。ところが予想を反して、再び事前の住民説明会も意見交換会もないまま、本年1月に6号ヘッドランドの工事が着工されました。これは、行政と住民の間に生まれつつある『官民協働』という新たな流れに水をさすことに他なりません。また、着工後に決定通知的な説明会を開き、既成事実として工事を進めることは現代の社会通念として認められるものではありません。まず県は、海岸におけるヘッドランド工法による今後の実施計画及び構想全体の修正点、そして完成時期と完成形態と効果の予想を含めた2~3号のヘッドランドやその他ヘッドランドの検証結果の情報公開を実施すべきです。その上で、一宮町住民に対して広く十分納得できる説明と意見交換を丁寧に行い、協議の上で住民の多数の賛同を得た場合に限って、現行の工事を再開できるようなシステムの構築を行なう。

■ 基本方針(2)

海岸利用者への配慮と景観を保つこと。

海岸保全計画は、海岸浸食防止と海岸利用者への配慮と景観を良好に保つ等、海岸環境の全体像をイメージし最善の方途を探りつつ事業を実施すべきである。

<背景>
現在、進められているヘッドランド工事が開始されたのは1988年に遡ります。当時としては最新の工法だと言われた計画も、既に20年余が経過しました。現在は、国内外で海岸保全の関する新たな工法も開発されています。もちろん、大自然が相手であり、海岸保全のノウハウの良否は、容易に判定できるものではありませんが、昔の計画に基づくヘッドランド工法が不十分であることは、衆目の一致するところです。特に、私どもが憂慮するのは、大規模な養浜の持続的実施が財源面でゆきづまり、テトラや突堤或いはヘッドランドのみが中途半端な形で残り、侵食の防止もされず良好な海浜環境の確保がなされず、負の遺産が残される可能性があることです。従って、まず今後の中長期的予算確保の問題も勘案しつつ、すでに相当程度事業の進んでいる箇所の養浜計画を進めつつ理想的な砂浜モデルを創り上げることが先決ではないでしょうか。まして、初歩的段階に留まっている6号突堤などに対しては、不可逆的な建設工事を実施するのではなく、現代の最新の知見に基づき、試験的な事業をモデル・ケースとして行い、その効果を検証しつつ慎重に事業全体を推進してゆくことが望ましいと思われます。結果、所期の目的である『海岸侵食防止と良好な海岸環境の確保』を実現することが可能になると考えます。

■ 基本方針(3)

官民合同の協議体『なぎさ保全会議(仮称)』の設置と機能的な運用。

<背景>
今後、海岸保全の工事を効果的に行ってゆくために、『なぎさ保全会議(仮称)』といった組織を立ち上げ、その組織における徹底した議論・調査を前提に、計画を立案・試行・検証し、過去にとらわれず柔軟に状況に対応してゆく体制を確立すること。
これまでは、海岸は国・県の管轄であり、基礎自治体は関与せず、住民などは関与しないというのが、原則でした。しかし、平成15年2月15日(土)千葉東沿岸海岸保全基本計画公聴会(大原会場)議事録(下記※2)における県担当者からのご提案通り、今や地方分権の大きなうねりの中、地域の基礎自治体、或いは地域の住民の、政治的意思決定の場への主体的関与が求められています。こうした全国的な流れを踏まえて、私どもは、今後、一宮町の海岸保全のあり方について、千葉県・一宮町・専門家・地域自治会代表・公募による住民・漁業関係者・観光関係者など、関連する諸方面の代表をメンバーとする(もちろん、最善の形としては国土交通省の関係者にもメンバーに加わって頂くのがよい)常設の意思決定機関を立ち上げ、すべての関連事項はその機関での協議を経て、決定し、実施してゆく姿に改めるべきであると考えます。そして、住民説明会そのほかの開催も、この機関が主軸となって担ってゆくべきだと考えます。こうした、実質的権限を有する協議機関の前例は、既に神奈川県茅ヶ崎市に存在し、国のモデル事業としての養浜事業を企画・実施しているそうです。わたくしどもは、本町・本県も今後はこれにならい、同様の協議体を確立してゆくことが急務であると考えます。

2、「一宮の海岸環境を考える会」規約
第1条 本会は、「一宮の海岸環境を考える会」(以下「考える会」という。)と称する。

(目的)
第2条 考える会は、一宮海岸地区(1号~10号ヘッドランド)において、防護、利用及び環境を考慮した侵食対策について協議を進め、住民と行政との形成合意による実施計画の立案を目的とする。

(協議事項)
第3条 考える会は、前条の目的を達成するために、次の項目について協議する。

(1)侵食状況の把握について

(2)侵食対策について

(3)その他、考える会が必要と認めた事項について

(所在及び組織)
第4条 考える会の組織は、役員表に掲げる委員とする。

第5条 考える会の所在地は、〒299-4303 千葉県長生郡一宮町東浪見7428-3に置くものとする。

第6条 考える会議は、代表理事が召集し、代表理事が会議の議長となる。やむを得ない事情により会議に出席できないときは、同じ団体等に所属する副代表または事務局長理事が代行するものとする。

第7条 本規約に定めるもののほか、考える会の運営について必要な事項は、代表理事が定めるものとする。

2010年2月4日
一宮の海岸環境を考える会